医療従事者として、精神疾患、身体疾患をお持ちの患者さん、利用者さんと関わってきました。

 

作業療法士としての技や考え方を持ちながら、何故か「関わり方」が気になっていました。これは専門学校時代より症例へのツッコミから伺える自分の特徴です。

 

身体面、ADLの変化について質問する人達がほとんどの中で「どういった関りをしましたか?」とよく質問してました。

 

臨床1年目でもコミュニケーションについて先輩に聞いたりしていましたが、何故かそこは笑われてスルーされていました。

 

当時はどういう考え方がもとになって「関わり」を知ろうとしているのか、掘り下げることができずにいましたが、マインドフルネス瞑想や気功、演劇ワークを通して理解できます。

 

それは「自分自身の相手に与える影響は?」という「関係性」が気になっていたのです。

 

私の知る限り「どういう技術、手技、評価方法を用いて治療できるか?」の部分に意識が向いている人がほとんど。

 

精神疾患の方への治療では「ユーズオブセルフ」という概念を習いますが、これは「治療道具に自分を使う」になります。相手に合わせて対応していくということです。

 

役柄を演じる、ともいえますがまずはその前に「相手への影響」を意識しないといけません。

 

そのためによく観察し、どのように表現しているかを五感覚を使ってキャッチしないといけません。

 

それがないことには、患者さんを自分の思い通りにコントロールしようとしている状態に過ぎないのです。

 

もちろん医療従事者を志そうとされている方は、「なんとかしてあげたい!こんな生活を送ってもらいたい!」という気持ちで仕事に勤めているでしょうし、その気持ちは大切です。

 

私が身に付けた「関係性における技術」は患者さんへの想いを小さくすること。

 

何もない、フラットな状態で、観る。

 

結果的に良い状態を引き出すことにつながります。

 

認知症で意思疎通が難しい方が自身の生活について語りだしたり

 

「リハビリやってくれ」と近づいてきてくれたり

 

笑顔が増えたり。

 

寝たきりで意識状態が低い方がおられます。

 

訴えは表には出されませんが、無言の訴えを聴けるようになりました。

 

それは純粋に向き合うことで、症状を通り越して「この人は私を観てくれている」

 

と無意識に感じるからです。